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カンブリアから考える?
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突然ですがあなたは、何歳まで働きたいですか?
定年退職されたら、好きな事とかしてのんびり暮らしたいとかお考えですか?

若い人は、早くリタイアしたいと思っている人が
多いそうです。

もちろん休みなくず~っと、働き続けてきた方とは
感覚が違うかもしれませんが

私は途中の仕事していないブランクが長かったので
今仕事ができるという事にとても喜びを感じています。

その上、私の仕事に定年はないので
もうこれ以上仕事をすると、
お客さんに迷惑をかけてしまう
という手前までは仕事を続けたいなあと思ってます。

社会と繋がっていたいし、誰かの役にも立ちたい。
そういう思いは私も強い方です。

なぜ、こんな事をお聞きしたのかというと、
実はちょっと前に、撮り貯めしてあったTV番組の「カンブリア宮殿」を見ました。
(テレビ東京の経済ドキュメンタリー番組)

色んな成功している会社の事例を見るのが好きで、
「この視点に気がついて仕事にしたこの人、天才!」
といつも興奮して見ています。

ご覧になられている方もいるかとは思いますが、
静岡では地上波で見れませんよね。

でもビジネスモデルを考えるヒントになる点も多いので
最近印象に残った事例をご紹介したいと思ったのです。

その第1弾が、
冒頭の質問につながるその会社です。
名前がとてもユニークな「高齢社」。

60歳以上75歳未満の方が登録する高齢者専門の派遣会社です。

定年という制度の為に、仕事を失いながらも
まだ十分に働くスキルと体力のある高齢者のみを登録し
派遣するスタイルなのですが、
設立以来7期連続の増収を続けている会社です。

若い人でも就職難なこの時代。
退職後の高齢者の再雇用に関しては、
特別なスキルやネットワークをもつ場合を除くと
絶望的な状況にあります。

それをこの会社の代表である上田研二さん(74歳)が
もっと働ける高齢者を集めて再び社会の一員として
活躍できる場を提供しているのです。

この上田おじいちゃんですが
(そう呼びたくなる雰囲気の、笑顔のチャーミングなとても素敵なお方)

自らも含めて、お年寄りの事を「産業廃棄物」と呼んだりする、
(リタイア後の人生をリサイクルするという意味を込めている?)
ジョークが大好きな、とても明るい高齢者なのです。

その上田さんが、この会社を始めようと思ったのは、
これからは、技能継承の問題が必ず弱くなるので、
高齢者活用の時代がきっと来るはずだと思ったと。

上手くいく人には必ず、先を読む力がありますよね。

そして、次はリサーチ力。

上田さんも定年退職した方に聞いた所、
みなさん最初の半年くらいは、
休みが多くて喜んでいるのですが

そのうち、奥さんからだんだん邪魔者扱いされるようになってきて
家に居づらくなってくるそうです。(う~ん、なるほど…笑)

1日に5回も犬の散歩にいくようになるとか。

これは絶対にビジネスとして成り立つなと
上田さんは「ピピピ」ときたそうです。

この会社が扱う仕事の内容は
上田さんが東京ガス出身という事もあり、
ガス関連の点検整備業務や
営業や運転助手、ショールーム受付、
水泳のインストラクターなど100種類近くあるそうです。

そして派遣先企業から人気の理由は、なんといっても低コストなこと。
毎日が日曜日の高齢者には休日手当を支払う必要はないし、
新人と違って研修費も必要ありません。

この他にも人生の先輩として若い社員に与える影響も大きく、
企業として使わない手はない、というわけです。

若い人でなければできない仕事もありますが、
高齢者でも、できる仕事も世の中にはたくさんありますから。

勤務体系の大きな特徴としては、
社会保険料の負担を軽くする為に、
労働時間を週30時間以内におさえていたり。

高齢者になると、病気も多くなるし、
海外旅行にも行きたい人もいるので
仕事は余裕をもたせて

普通1人で受け持つべき仕事を2人で分担しあい、
働く日は自分で選択するというものです。

その結果、給料は月8~10万円位と少なめですが、
年金もあるので、ほとんどが自分で自由に使えるお金となり
孫にプレゼントもできるし、カラオケもいける。

そのうえ税金も払うので、景気の向上にも貢献していると
社員からの不満はないそうです。

そして、なによりの特徴が
会社は社員を一番大事に考えるので
社員はお客さんを一番に考えて下さいというのが
上田さんのモットー。

午後4時過ぎればオフィスでビール飲み放題とか。
経常利益の30%は期末手当として社員に還元するなどの
社員をとことん大事にする会社作りなど
お手本にしたい事がてんこ盛りな会社なのです。

番組では、そんな中ずっと好調だった高齢社に、
創業以来最大の危機が訪れます。

大口の派遣先である大手メーカーが業績不振を理由に
70名の契約が打ちきられた事です。

そんな苦境の時でも、上田会長は、相手の会社のせいにはしません。

「売れない理由を相手(外部要因)のせいにしてはいけない。
売れない理由は必ず自社にあるはずだ。」

と、普通なら不況だから仕方がないと考えがちな場面でも
いつもポジティブ思考なんです。

数社の大口派遣先に頼っていた、
自社のこれまでの営業スタイルを見直し、
リスクを分散するように、多様な派遣先を開拓することを決め
上田会長自らが営業活動をいたします。

自社を使うメリットを顧客にアピールして
自らのピンチをチャンスに変えてしまいました。

大量雇用を期待するのではなく、1人1人の雇用でも
使ってよかったと思っていただければ、需要は自然に増えるはずなので
欲をかいてはいけないという謙虚さもあります。

せっかく登録してくれた社員に、仕事を出さないのは、
一種の詐欺行為になるからと、仕事開拓にも余念がありません。

パーキンソン病の持病を患っているとは思えない、バイタリティ溢れる
スーパーおじいちゃんです。

この上田会長の経営理念だけでもかなり勉強になりますが
このようなビジネスモデルは、
各業種、各地域にたくさんできれば
もっともっと、日本の雇用にプラスになるはずです。

このモデルを高齢者だけでなく、他の対象にも横展開できるかもしれません。

あなたも、双方に笑顔をもたらすビジネスモデル、
考えて見たりしませんか?